2001/02/15
[CLIE0045]新CLIEを予想する

 最近になって春の新製品がつぎつぎと発表になっている。そろそろCLIEも・・・ということでネット上でもいろんなうわさが飛び交っている。今回はまさぞうの物欲嗅覚で新製品の機能を大胆予想してみよう。念のためお断りしておくが、「こんなのあったらいいな」レベルの内容であり、何がいつリリースされるかはまったくもって認知していない。検索エンジンなどでひっかかったからといって、鵜呑みにしないであくまで想像の範疇で楽しんで欲しい。

 新製品の機能予測だけではオリジナリティがないので、まさぞうの物欲フラグもかけあわせ、どれだけのフラグがたったら新製品を買う/買わないの基準も決めてしまおう。余談だけど、まさぞうの携帯はいまだD501iである。502シリーズのカラー化の波も、iアプリのゲームで盛り上がっている503シリーズの波もまさぞうのフラグを立てるまでにはいかなかった。いいたいのは、まさぞうにとって必要性のない機能はそれがいくら新しい機能であってもいらないということだ。
 例えばバイブモードしか使わないまさぞうにとって16和音は必要ない。きれいな音が出るようになるという驚きは物欲の歴史のなかですでにPCやファミコンなど他のデバイスで経験済みなので気分的高揚もそれほどでもない。むしろ、充電中はマナーモードを自動解除してくれるだとか、電話番号のあとにコントロール番号をいれればマナーモードを解除してくれるなどの機能があった方が、物欲フラグは「即立ち」である。バイブレーションは体に密着しているからこそ意味のある機能だ。そうでない2つのシチュエーションで、前者の機能はマナーモードを解除しなかったために着信に気づかなかったというミスを防ぐことができるし、後者は携帯をどこに置いたか忘れてしまったときに、音による発見ができるし、悪用防止のためにロックすることもできる。
 自分の利用スタイルにFitする便利さには喜んで物欲大爆発でさくっと金を払うが、楽しさには一歩引いて傍観するというところか。楽しさは一過性の要素があり、慣れる=飽きるなのだが、便利さは使うたびに「にんまり」できる。このにんまりこそが物欲の喜びなのだ。

 余談という名の大主張になってしまった。さて、新CLIEの機能を予想しよう。

画素数アップ
 これが実現されたら、躊躇なく新CLIEを購入するだろう(笑)。それだけまさぞうにとっては重要なファクターである。画素数のアップはフォントの見やすさとともに表示できる情報量の拡大を実現する。前回のコラムでもあるようにまさぞうのCLIEの使い方は情報のビューアーの用途が圧倒的だ。それが使いやすくなるのはすばらしい。せめてPocketやZAURUSで実現している200×320、いけるなら480×640でも実現して欲しい(160×160の倍の320×320ということもありうるか?)。この画素数ならWebブラウズする気になるし、もっと使いやすいユーザインタフェースもデザインできる。画像だってバリバリとハンドリングできる。VAIO GTは6inchで1024×768を実現している。SONYの新携帯SO503iにはTFT液晶が載る。やってやれないことはないはずだ。しかし、これはOSのサポートに依存する。春にリリースされるといわれているPalmOS4でさえも、画素数アップに関する情報はどこにもない。来年以降実現するのかなあ。

同時発色数のアップ
 これはすぐ実現しそうだ。先行しているVISOR PRISMでも実現してるし、PalmOS4でもサポートを表明している。しかし発色数アップは画像の表現力はあがるが、所詮狭い画素数では魅力も半減だ。したがって画素数よりは物欲フラグは小さな影響だ。それはまさぞうがVISOR PRISMに触手が伸びないことでも明らかだ。
 発色数はビジネスアプリにはそれほど貢献しそうにないが、ゲームには威力を増すのであろう。セガがPalmのゲーム参入を表明したし、Raceこいこいなどのようにカラー化が楽しいゲームも目白押しだ。しかし、今のままでは発売が予定されているゲームボーイアドバンストのような専用機にはおよばない。OSの縛りや筐体のコンセプトが邪魔をするからだ。しかし、SONYには最強のPSの技術がある。ゲーム・デザイナーがわくわくするような3D描画エンジンやジョイスティックアタッチメントが登場したら、SONYのハンディゲーム機としてまた違った顧客層をつかめるかもしれない・・と思ったが、価格帯がゲームボーイちがうか?でも売れると思うがなあ:-)。

液晶ライトの強化
 これはカラーCLIE全員の願いだろう。「使える」レベルではあっても、「最低限の快適さ」がないことはメーカーであるSONYが一番よくわかっている。ソフマップの中古Palmの商品ディスプレーで展示されているのも段トツでカラーCLIEという現実をかみしめて、誰もが安心して買えるようにがんばってもらいたいところである。でも、安直なTFT液晶+バックライトの採用というのだけはやめて欲しい。太陽の恵みをうけて外でよく見えるというのは、CLIEのアドバンテージなのであるから。現在のバックライト+半通過型液晶の強化でもいいし、ZAURUSや昔VAIO C1でリリースしたフロントライト+反射型液晶でもいい。
 とはいうものの、まさぞう的には現在のCLIEをリプレースするには値しない。それは現行機種でも十分「使える」からである。ただし、人に薦める時にはいままでの躊躇がなくなる。その人のやりたいことがPalmの機能で実現できるなら、Jog、メモリスティック、アウトドア液晶との3つ巴により、まさぞうはエバンジェリストとして間違いなくCLIEを薦めるだろう。

メモリ量のアップ
 本体メモリはいくらあってもいい。容量アップがそのまま価格に響いてくるものではあるが、32Mぐらいは奮発して欲しいところだ。まあ、しかしながら、Palm自体のアプリケーション自体はシンプルなので使用メモリ量は極めて少ない。むしろ肥大が懸念されるのがデータである。地図や辞典、大量の画像などを携帯したいと思えば、かるく数Mバイトは消費してしまう。
 CLIEはメモリースロットの搭載ということで、1つの解を提示した。メモリスティック内アプリの実行ができるPalmwareもある。あとは、メモリスティック内のデータを参照できる各種Palmwareの登場が期待される。前述の地図や辞書などがそうなればいいと感じているユーザーは多いはずだ。PalmOS4にて他のPalm機もメモリスロットを装備する予定であるので、ソフトの対応はそんなにフォーカスの狭くない投資である。
 とはいっても、現状のCLIEでもソフト次第でできそうなので、これもまさぞうのリプレース要因としては小さなことだ。

CPUの処理性能アップ
 これもどんどん速くなって欲しい。が、電池が持たないのはいただけない。そのあたりのバランスが大切だ。現状はWebブラウザや画像系のアプリが重たいが、CPUのアップによってそのあたりがさくさく動くようになるだろう。速いのはいいことだが、これもまさぞうのリプレース要因としてはたいしたことはない。速さは快適さの1要因であって、できるできないを決定付けるものではないからである。

BlueToothによる無線通信
 何かと話題になっている。しかし何がうれしいのかわからないくらいに、まさぞうにとって懐疑的な機能である。それはどんなデバイスとつなげてどんなデータをどのようにやり取りするのかを議論せずに話題が先行しているからである。
 PalmにはHotSyncというPCとの強力なコネクションがある。まずこれの置きかえが考えられる。確かにかばんや洋服のポケットから取りださずにデータの同期がとれるのは魅力的かもしれない。しかし、本体を触らずしてどうやって通信の開始を指示するのだ?ずっと待ち受け状態では結構な電力消費につながるのではないか?結局は充電が必要、と考えると、クレドールに乗せて充電できるとともに、HotSyncボタンを押す現状の気軽さでもいいのではないか?と思ってしまう。操作シーケンスと電源のバランスをうまく考えないと、配線で美観を損ねるというのがたまらなく嫌で遅い赤外線HotSyncを使っている人(いるんか?そんな人(笑))しか救えない結果になってしまう。
 さて次はインターネット接続への期待だ。BlueTooth自体でインターネットにつなげられる訳ではないから、インターネットとつなげられるデバイスと通信するということになる。まず筆頭は携帯やPHSなどだ。携帯にアドオンする形態などでちらほらと製品が発表になっている。SONYは携帯も作っているが、VAIOにBlue Toothを載せたように、携帯にも付加価値として載せてくることは期待してもいいのかもしれない。しかし、まさぞうのように家でも会社でもPCの常時接続環境がある生活ではできるところでネットの情報にアクセスした方がアクセスビリティも画面の大きさも抜群にいいわけで、旅先の緊急避難的接続であれば、携帯と有線でつなぐ現状の方法でもさほど手数は変わらないし、投資に対するリターンは少ないだろう。スマートさでいけば、日本の誇るPinコンパクトのように直接インターネット接続できる方が断然いい。そういうものなら「即買い」ですな。
 一番の懸念は現在想像されるリリース形態ではメモリースロットが埋まってしまうということだ。Librettoや旧ZAURUSでモバイル通信していたときの使い勝手の悪さが思い出される。1スロットしかないので携帯で通信するときは、すでに挿入されているカードをぬかないとならないのだ。特にCLIEは大容量メモリーが使えることがメリットなのにそれが同時に使えない。これの解消にはコンビネーションカードの開発か、新ZAURUSのようにスロットを2つにするか、HotSync端子にアダプトする形態にするか、一番いいのは本体への内蔵かのいずれかである。そういう意味では1つの解としてダブルスロットを持つ新ZAURUSはバランスがいいのだ。
 以上のように、まさぞうにとってBlueToothは物欲的にはそれほどでもないのだが、もし欲しくなるとすれば、エリア・インフォメーションの領域だ。有効範囲がそんなに広くないことを逆手にとって、あるエリア内でPalmに情報をブロードキャストする。例えば空港にいたらボートに表示されるような出発に関する各種情報を流したり、ショッピングセンターなどではどの店でどんな商品を扱っているか、タイムサービスはないかなどを流す。展覧会では、展示物の情報が入手できる。Palmの電源をいれてエリア・インフォメーションのアイコンをタップすればその地域限定の情報リスト表示され、選択すると情報が入手できるという世界は結構魅力的だ。技術的にはできると思うのだが、この実現には社会的インフラの成長が必要なので、実現するかわからんなあ。

サウンド機能の充実
 パーソナル・エンターテイメント・オーガナイザーとしての威力を発揮するために、サウンド機能の充実は想像に難くない。携帯がウォークマンになったように、CLIEもマジックゲートのネットワークウォークマンの機能が載ってくるかもしれない。メモリースティックスロットへのアドオン機器かもしれないし、CLIE本体への組み込みかもしれない。 しかし、まさぞう的疑問は、使い勝手の面や電源面でこの合体がいいのか?ということだ。PalmOSは基本的にシングルタスクである。音楽を聴きながら他のアプリの操作が快適にできるのか?ハード的にボタンなどを作って同時実行を実現したとしても、音源をドライブする電力を寄生虫的にCLIE本体の電源から取る形態ならば、本体を圧迫して電源ゼロによるデータ喪失の危険性が増えないだろうか?バッテリも別で筐体がでかくなるとなれば、はたしてCLIEに寄生虫する意味はなんなのか?ヘッドホンステレオでいつも悩む本体とヘッドホンコードとの位置関係はどーなるのか?それが手帳としての使いやすさを阻害する要因にならないのか?これこそBlueToothか?などど様々な懸念がある以上、まさぞうにとって、CLIEとは別にMP3プレーヤーを用意すればいいという解にしかならず、これまたリプレースにつながらない。これが現状のVISORのスプリングモジュールをみても物欲が沸かない理由の1つである。
 また、サウンドの利用形態として動画があるが、手のひらビデオプレーヤーとしての1つの理想形はすでに新ZAURUSがその世界を見せてくれたし、DoCoMoが推進している動画コンテンツのPHS配信なども面白い試みだ。いずれにしても、サウンドを含めた動画ビューアーとしての役割をCLIEも担うことになるだろう。こうなるとCPUパワーもメモリも必要となり、PocketPC化していくのかな?

拡張モジュールの接続
 これはVisorが目指している世界へのトレースですね。モジュールをスプリングボードスロットにいれると、いろんなものに化けるという。WindowsCEやZAURUSでもおなじみの世界。Palm機として先行するVisorを見ると、デジタルカメラ、GPS、前述したMP3プレーヤー、バイブユニット、リモコンユニット、ボイスレコーダー、バーコードリーダーなんかが見えている。SONYから試作品としてあるのは、デジカメ、 GPS、指紋認証なんかだ。一見するとわくわくする。
 しかし、これに対するまさぞう的結論は、「電源食いは、いらない」「単体製品の方が機能も使い勝手も優れている」ということ。いろいろなものに化けるのは昔の合体ロボットのおもちゃをいじっているようで面白いのだが、実用性を考えるとどうも物欲が沸かない。いろいろ持たなくていいというのも、結局モジュールを持ち運ぶことになれば一緒だし、単品の方がボタンなどハード的に使い勝手がよい。使いたいときにくみ上げなければならず、さっと使えないのも早撃ちガンマンの性格にあわない(笑)。集約よりも分離独立指向なのであった。
 それでも拡張して欲しいもの・・・・・・思い付かん(爆)

独自ソフトウェアのプレインストール/ROM化
 SONYのVAIOにおける商品戦略に独自ハードウェアで機能する豊富な独自ソフトウェアのバンドルによる差別化というのがあった。特に旧Rシリーズ、現行RXシリーズを頂点とする動画編集機能、TVのHDD録画機能は他社を寄せ付けないものであった。最近になって一部のソフトウェアは単体販売されるようになったが、依然そのクオリティは高い位置にある。まさぞうがVAIO R73Kを買ったのもそうした要因が強い。
 CLIEでもその戦略をとった。PocketPictureやeMovie、Palmscape、MultiMail、ATOKなどのバンドルによるReady to Runのイージーさは、初めは最低限のソフトしかなく、必要に応じてPalmwareを導入していくというPalm文化にはなたれた一筋の矢である。少なくてもPalm初心者のまさぞうにとっては、すぐに評価できるソフトウェアがあるということは喜ばしいことだ。コストパフォーマンス的にそれを期待する人達もいるだろう。しかし、PCでもそうであったが、プレインストールのソフト達が今もなお本体に生き残っているかどうかは、熟練層にとってまた別の問題である。それらはソフトの良質さと本人のやりたいことに依存する。さらにソフトの良し悪しはハードの機能や性能に依存する。例えばまさぞうの大好きなTeal Point社が音声付き動画ビューアーを出したからといって、それを受け止めるストレージアーキテクチャがなくては、ほんの小さなコンテンツしか携帯できず、Palm好きの知り合いをびっくりさせるぐらいの用途しかないのだ。(Palm好きじゃないと、現状で音付き動画がすげえ技術であることはわからない)
 ソフトウェアの重要さを知っているSONYのことであるから、次回はさらに良質なPalmwareをバンドルしてくるであろう。少なくともCLIEのプログラムコンテストで賞をとったレベルのものは載せてくるのではないか?また使い勝手のよいユーティリティをROM化するという手もある。POBOXなんて携帯にバンドルするぐらいだから可能性が高いのではと思う。さらに前述したような魅力的なハードウェアが登場すればそれに応えるソフトウェアも期待できる。今はテキストをきびきびと扱うのが得意なPalmであるが、画像や動画のコンテンツを扱うアプリはもっと進化してもいいはずだ。
 ソフト的な魅力はまさぞうの物欲を程よく刺激する。それは、ソフト=やりたいことの実現だからである。いま一番欲しいのはSONYならInfocarryのような、Jog操作で使いやすく優れた統合情報ビューアー機能を持つ独自Palmwareがバンドルされたら、「即買い」かもしれず。かみさん的稟議は・・どうすっかな。「このCLIEをあげるよ」という常套手段は、すでにビンゴで当たったVISORをあげてしまったからもはや使えないしね。:-)

 ということで、結構否定的な感じになったが、あくまで「使わない機能はいらない」という観点からの予想なのであった。もちろん新技術にはワクワクするし、とりあえずいろいろいじり倒してみたいとも思う。上記の懸念を吹っ飛ばしてくれるような、新製品に期待したい。そんな物欲をまさぞうは待っている。

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