2000/11/13
[BUTU0006] 秋のプリンター新製品

 毎年秋になるとボーナス商戦を狙った新製品発売が目白押しになるが、その中でもインクジェットプリンターが熱い。年賀状という日本独特の文化に華をそえるための主力商品だ。ちょっと前まではプリントごっこが、すげー前にはイモ判がそのポジションにあったが、今やパソコン+プリンターがゆるぎない席を確保している。前述の歴代印刷グッズもそれなりに味があるのだが、それらには決してできないことがプリンターにはある。それは宛名印刷だ。

 「べらんめえ。宛名を印刷するたあ、なにごとでい。そんな人情味のねえこった、失礼すぎてできねーぜ。ていてい」という大江戸八百屋町の人は、どうぞ手書きでいっちゃってちょーだい。むしろミミズのはったような字を見せる方が失礼にあたると思うので、書道免許皆伝ぐらいまでいっちゃうと、逆にその人の味が出てすばらしくなるだろう。まさぞう的には自分の味は裏面のデザインと、手書きの一言にこめるので宛名書き作業はさくさくいって欲しいのであった。

 パソコンによる宛名書きは一大発明だ。住所の一覧表さえ作ってしまえば、あとはフルオート。住所変更になった人も差分だけ直せばいい。「去年誰に出したっけなあ?」なんてのも管理できる。非常に便利なのでこれだけでもパソコンを導入する意味はある。
 さて、宛名書きだけなら数年前のプリンターだって十分である。にもかかわらず、プリンターが進化しつづけるのは、目指すべき目標があるからだ。まさぞうは次の3つと考えている。

 1つめは「印字画質」だ。エプソンが「写真画質」を打ち出してから、プリンターは「いかに銀盤写真に画質を近づけるか?」を競ってきたといっても過言ではない。エプソンの名機PM700Cがこの世に出たときの衝撃は大きかった。CDの出現によりレコード盤が消えていったように将来的は銀盤写真はその役目を終えるのではないかと思ったほどだ。この印字画質もプリンタ本体は当然のこと、インクの受け皿である専用紙の画期的なコーティング技術により、すでにまさぞうのようなシロートには分からないレベルで進化を遂げているらしい。

 2つめは「印字速度」だ。まさぞうは、BJ35v、PM750C、PM820Cと渡り歩いてきたが、印刷速度はだんだん速くなっている。しかし、プリンタ共有しているオフィスのようなところや、結婚式前日に提出した自作の席次表に「様」の文字を書き忘れるという致命的ミスを犯し、夜通しプリンターの音を響かせていたまさぞうのような奴(爆)ならいざ知らず、稼動率の高くない家庭では印刷速度はそれほど重要なファクターではないだろう。

 そして3つめは「印字範囲」だ。ペンで印字する固定式のプロッタプリンターでない限り印刷する場合、ローラーで紙を送る機構が備わっている。そのため、紙の上には印字できない余白が発生する。通常の文書などは見やすさの点でもともとから余白が前提であるが、年賀状の裏面などはこの印字余白がデザイン上の大制約になる。まさぞうの場合、PM750Cでこの下部3センチの余白地獄(オーバーか?)にはまり、デザインを何度も修正した経験がある。人に譲る機会を見計らって、3ミリ余白に進化したPM820Cに移行したという具合だ。

 あとは、ランニングコストなんてのがあるが、コストが気になる程大量印刷する人は初めからレーザープリンターを買いやがれ!ということでここでは意識しないことにする。

 さて、上記のうち、今年熱いのは第3のファクターだ。ロール紙ではすでに達成していた余白なし全面印刷の偉業をエプソンがカット紙で達成したのだった。エプソンは、PM900C、PM880C、PM780C(それぞれ実売49800円、39800円、24800円)と3つのラインナップを発売した。すべてカット紙余白なし印刷が実現できる。PM900CではなんとCD‐R本体へのラベル印字という付加価値もある。予算が許せばまさぞうの一押し。あとはまさぞうも一度も使ったことのないロール紙を使いたければPM880C、なーんにもいらないなら安いPM780Cで十分だ。今年はこのカット紙余白なし印刷の登場で、他社のプリンターをWatchする必要もなくなった。画質よりもまさぞうにとっては重要な物欲フラグだからである。購入しよかな〜なんて思っている人、いまならエプソンを買いだああああああああああ!

 うわさではこの最後の余白印刷をするのに通常の2倍ほどの時間がかかるそうだが、このことが、まさぞうの新たなる物欲の最後の砦になっていることは誰も知らない。:-)

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